昭和の匂いがする①
気が付かぬうちに「バタバタ」と呼ばれた原付やスクーターが街から姿をけしていた。ホンダのカブが出現したからだ。それはモペットやスクーターの革命だった。それまでに無かったスタイルと高性能で、カブは街の働き者として風景の中に同化していった。昭和33年の登場から8年目の昭和41年、原付カブはOHCエンジンとなって、現在へと続くベストセラーの地位を確立する。当たり前過ぎてその存在に注意を払わなかった僕だったけれど、蕎麦屋「蔵乃屋」の出前のカブだけは直ぐに分かった。4スト特有のブーンというエンジン音を響かせて、路地を曲がってやって来る慣れ親しんだあの音、腹ペコな健康優良児のような僕が待ちわびている「焼豚丼」を運んでくるあの音だ。汁をこぼさない出前の若い衆は偉い、父は良くそう言ったものだ。でもそれはカブのおかげなのだと僕は今でも思っている。
カブ本体のデキはかなりいい感じ。スポークがちゃんと張ってあるのがすごい。ライト類も透明だし、レッグシールド内に隠れてしまう小さなエンジンも再現されています。出前のお兄ちゃんの表情が何ともいい味をだしています。これだけポンと机の上に置いても周りの風景が見えるような気がするのが不思議。
全6種+? すでに絶版でした。
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